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雑談掲示板
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■:
匿名さん
ID:7a663a42f
[2025-12-11 18:13:29]
[×]
どうも皆さんお久しぶりです。水原唯翔ならぬ、チャチャで小説を投稿していた匿名です。
今回、水原唯翔という名前を改名していただく形となりました。
その理由としては、個人的に自分の腕があまり良くないと自覚し、書く気力がなくなって、前作の「いじめられっ子」と新しくできた「ミッドナイトエクストリーム・オンライン」という小説を書くのを疎かにしていたからです。
本当に、申し訳ありません。
これからは、また不定期という形で投稿させていただきますが、全身全霊をできるだけかけて努力していきますので、応援してくださると嬉しいと存じます。
さて、新しい名前ですが、
もう薄々気づいている人も多いでしょう。
私は以前、ここ、チャチャに小説を投稿していた「根来澄」という人と同じ人です。
根来澄として活動していた時は、その時も今回と同じように自分の腕に自信が持てなく、なろうとカクヨムのアカウントを削除して"転生"しました。
本当に申し訳なく思っています。
ですが、こうやってまた努力を続けて、やっと自分に自信が持てる作品を作ることができたと実感できていますので、これを皆さんに伝えたい、読んでもらいたいという衝動に駆られ、スレを立てた次第でございます。
そうです。自分はまた「根来澄」としての名前で投稿を開始いたしました。
「根来澄」として活動していた時も、結構話数がなく、底辺小説家だっただけはあり、あまり気にしてない人が多いと思いますが…自分的には心にちゃんと自負しております。
まぁそんなこんなで、自分はまた小説を書いた次第です。
今回も読んでもらえると嬉しいです。
それでは。
https://ncode.syosetu.com/n2518lm/
https://kakuyomu.jp/works/822139841121985952
1:
プロローグ
ID:7a663a42f
[2025-12-11 18:13:57]
[×]
家に帰っているのに、「帰りたい」と思うことはないだろうか。
夜の帰り道、または夕方の帰り道で一人で歩いているときとか、そんな時に「帰りたい」と感じるあの衝動。
俺は少なからずある。さっき言ったときだったり、学校にいるときだったり、家にいるときだったり。
家以外の外でそのような考えをするのはまだわかるが、家にいるときにそう思うのは俺でも謎だ。
「なんでか」と理由を考える気力はさらさらなかった。まずまず「理由?なんで考えるんだ?」とそのことに関して疑問を抱いていただろう。
そんな昔の思いを今思い出して、俺は昔の俺にその理由を説明することにした。
家に帰っているのに「帰りたい」と思うこと、そんな矛盾が生じる理由として俺は、『帰るべき場所が違う』と考えた。
他人から見た、親から見た、友達から見たその”家”は、自分の中での”家”ではない。ということだ。
良くあるだろう?親の元を一刻でも早く離れたくて、上京したくて、でもいざとなってやってみると何かが違くて居心地が悪かったり、前の家に戻りたくなる現象。
少なからず昔の俺は、上京もなにもしてなかったから何も言えないが、多分、それに似ていたと実感できた。
俺の家は母子家庭だった。
父さんは俺を生んで母さんに借金を押し付けて浮気相手と夜逃げ。
母さんは俺のことを育てる、というよりは放任主義だった。
知らない男と毎晩家に帰ってきては気持ち悪い喘ぎ声を出し、そして力果てたと言わんばかりにその男と昼前まで寝る。
俺は「それが当たり前なんだ」と謎に理解し、母さんには何も言わずに、逆に母さんにも何も言われずに家に居続けた。
ご飯はたまに母さんがお金をくれるのでそれでやりくりしたり、その知らない男に飯をもらうことも少なくなかった。(知らない男は毎晩変わるので、優しい男だったり怖い男だったりと色々いたが)
学校は行かないことが多かった。
俺はそこらへんの学生より頭がいいのか知らないが、授業は何となく理解することができた。
あと「学校に行ってないから遅れてしまう」ともなんとなく理解できていたので、家に居て暇な時間は勉強に費やした。
教科書類だったりランドセル類はなんとか買ってくれてたので、それだけで十分だったのだ。
そして俺は小学3年生になるのとともに母さんの母さん、俺からしてお婆ちゃんに育てられることとなった。
お爺ちゃんはとっくのとうに他界しており、お婆ちゃんは一人暮らし。
そして久しぶりに様子を見ようと母さんの元へと行くとこのありさまで絶望し、母さんとは縁を切り、俺だけを連れ出して育ててくれた。
まぁそこから俺はすくすく育っていき、体重が”100kg”を超える、所謂デブへと成長していた。
お婆ちゃんは俺がご飯を食べると腹いっぱいに食べさせてきて、最終的に断れず狂人へと変貌。
今まで腹いっぱい食わせてくれる人なんていなかったし、なんてったってお婆ちゃんが作る料理が今まで食べた中で一番美味しかったからだ。
そしていつも笑顔で俺が食べているところをよく観察してくる。「もうデブになるまで食って食って食らいまくってやる」と誓ったのもしっかり覚えている。
まぁそんな容姿だから高校で友達を作れるわけがなく、次第に…
「おら早く舐めろよ!!!」
いじめられることとなった。
俺はいじめられることにあまり抵抗はなかった。
こんな容姿、こんな見た目、おまけに親はどっちも役立たずで最終的にお婆ちゃんに縋って学校に通っている。
こんなの絶好のいじめ対象だから。俺がいじめる側ならしっかりいじめてあげている。
まぁ個人的にいじめる側にだけはなりたくないから、陰で見て知らんぷりするんだろうけど。
見た目に関してはお婆ちゃんに縋ってからだが、実際自分からこの体系にしたと言われれば否定できない。
運動量を増やして痩せることもできたはずだ。
俺は怒鳴ってきたそいつの足を逆に気持ち悪く舐めてあげた。
今日は体育の授業があったからか、土がついてて少しだけ「シャリッ」と効果音が鳴った。
あとは何とも言えない砂利の味。強烈に不味い。
俺がそうこうしているうちに、見ている周りのみんなは俺を囲ってスマホでパシャパシャと写真やら動画やらを撮っている。もちろん口角を上げながら。
俺がゆっくりと見上げると、そこには明らかにチャラそうな金髪坊主が目に入る。
その瞬間――
「「ぐはっ!!!!」」
俺は強くも弱くもない力で蹴り上げられる。
そして尻もちをつき後方へ倒れこむ。
痛…くはなかった。けど顎が少しだけジンジンする。いやこれが痛いのか?
あ、やばい…これ……
…でも…今は…少しだけ……
俺は金髪坊主に蹴られ、痛みに侵されることなく意識が飛んだ。
2:
第1話 転生?
[2025-12-11 18:14:29]
[×]
「どこだここ」
どうやら俺は死んだらしい。
過度なストレス?罵詈雑言や暴力の嵐で?重度の食べ過ぎ?
まぁ「どれがどれで死ぬから」とかは良くわからないが、すべてが運悪く当たったのだろう。
前の世界にはもう未練はない。逆に恨むという気力もなかった。
普通の人だったら、恨んだりして復讐だったりするのだろうか。まぁそんなことはどうでもいい。
ここは前の世界とは断じて違う。その理由として…
俺の目の前に広がっていたのは、すごくきれいな草原だったからだ。
そして俺が踏んでいる土の道。
本当によくわからないが、俺は「転生」というものをしたのだろう。
俺はその土の道をたどり、周りの草原を見つめながら進んでいくと、同時に水たまりを見つけた。
その水たまりに近づき、俺はその水たまりを見た。
「…なんじゃこりゃ」
水たまりを鏡にして俺の顔を覗くと、それは前居た世界の顔とはぜんぜん違う、多分「イケメン」とやらに顔がすり替わっていた。
髪は黒色。そこまで目立った様子はないが、前の世界とはぜんぜん違うサラサラな髪質だ。
そして顔。めちゃくちゃあったニキビはすべて消滅し、ぽっちゃりと膨れていた頬はシュッと締まっている。
そのまま体に目を向けると、前まで突起していたお腹はしっかり収まっていた。
これは「転生」と言えるのか?
個人的に「転生」とは、異世界で生まれた子供に、前世の世界の人の記憶が宿ることと認識している。
でも異世界の住人(こいつ)は、明らかに子供ではないし、「転移」と考えるなら前の世界とは全然違う体型、違う顔…絶対に何かが違う。
異世界の住人(こいつ)に、俺の意識が宿ったということだろうか…?
いや、よそう。
最終的に俺の意識が宿っているんだ。俺の体には変わりない。
他の人の体だとしても、その人の意識はもう無い。うん。
『何言ってんだ。あたしの意識はちゃんと残ってるぞ。』
うん………。
「ってうおっ!???」
俺がそう考えた瞬間、柔らかい、でも言葉遣いが少しだけ耳にツンと残る声が聞こえた。
いや…感じた?
「え…?どこから喋ってるんだ???」
耳から聞こえたというのは幻聴なのか、その声の持ち主は俺が周りを見渡す限りはどこにもいない。
俺は必死に顔をぶんぶんと振り、その持ち主を探し始める。
『この声は脳に直接語りかけている。
逆に考えてみろ。その体の持ち主はあたしなんだぞ?』
「……じゃああなたの体の中に勝手に入ったのが俺と言うこと…?」
『うーむ、まぁ半分が正解だ。
”勝手に”、というより、あたしが”呼び出した”。』
「呼び出した…?」
彼女(?)はそのまま説明してくれた。
人類で”初めて”異世界人を召喚させた結果、失敗し、間違えて自分の体を犠牲にしたらしいのだ。
その召喚できるのは体と意識のどっちもではなく、意識だけだったらしい。
犠牲、というより、その異世界人の体が必要だったのだ。
『…と、言うことだ。』
彼女が説明しているのを聞きながら俺は土の道をゆっくり歩いていく。
「そっちのほうが時間短縮になるだろう」と、彼女が提案したものだ。
「じゃあこの体は?俺は少なくともこんなイケメンじゃなかったぞ?」
『それはあたしの体を少しだけ改造し、男っぽくしたものだ。
元々「転生させるのは男」という設定をしていて、色々と用意してあげたのだ。』
じゃあなんで意識だけが転生するってことが理解できなかったんでしょうね…と思いながらも俺は背中に装備されていた剣を抜く。
「じゃあこれも?」
『そうだ。剣より魔法杖派だったか?』
「……いや、剣の方が好きだ。」
『それはよかった。』
鋭く光っている剣をじっくり見て、そして背中の鞘に入れた。
俺は「異世界転生」という物語に興味が全くなかったというわけではない。
学校で支給されていたパソコンでWeb小説を読んでいたまでだ。まぁ家ではまずまずWi-Fiのパスワードすら知らなくて、学校でしか読まなかったが。
小説を読むくらいしかできなくて、アニメ化したと聞いてもそのアニメが見れなかったことが多かったから、最初は少しだけ戸惑って、長かったら諦めたりとかしていた。
が、慣れていくと次第に楽しく読めていき、俺はどっぷり浸かってしまったのだ。
その中でも最高に好きだったのが、ソードマンが主人公の物語だった。
片手剣を駆使し、いろんな敵を倒していく。そんな姿に憧れていた。
俺は案外想像力が豊かなのか、いろんなことを想像して読むことができた。
主人公がどんな行動をして、どんな思いを持っていて…とこのように楽しく考えることができたのだった。
『…なるほど、そういった過去があったのか』
「……え?何言ってんだ?」
体がなく、声しか聞こえない俺でも、呆れた表情をしていたのは手に取るように分かった。
そしてそのまま彼女は説明を続けた。
『あたしは”口”では喋っていない。だからお前も口で喋らなくてもあたしと会話ができるのだ。』
「…は?ってことは……」
俺は確定な証拠がないまま、頭の中で言葉を唱えてみた。
彼女にそう言われるってことは大体察しがついたからな。いやでもこれで本当に合ってたら怖い。
死ぬまで俺は異世界の住人(こいつ)に脳ミソを監視されながら生きるってことだろ?絶対嫌だ。
いやー、でも異世界の住人(こいつ)がこう言うのなら、絶対そうだよな…
『あぁ。そうだ。お前が何か考えるたびにあたしに筒抜けだ。』
「…でしょうね」
俺は大きな溜息を吐いて俯いた。
そんな様子を見た彼女は『はははっ、まぁそんなに落ち込むでない』と俺を励ましてくれた。
『あたしは今、お前の世界のテレビ?とやらと同じ状態になっている。だからあたしがお前の体を動かすことはできないし、お前が望むのならあたしはなにも言わないことができる。』
でも最終的に俺の行動を隅々まで見てるってことでしょ?俺が考えていることも。
『あぁそうだ。』
はぁぁぁぁ…
全然励ましになってねぇよ!と怒鳴りそうになったがここではグッとこらえ、俺は土の道を歩いていく。
話しているうちにずいぶん経ったからか、目の前に大きい街が見えてくる。
『おっと、最初の街があそこだな。』
「なんて言う町だ?」
『ふむ、果たしてなんて言う名前だったか…』
「お前この世界の住人ならそれくらい覚えておけよ……」
『うるさいやつだなぁ、街のことなんて一個一個覚えてるわけないだろ?旅なんてしたことないんだし。』
『あっ、思い出した。あの街は…
”アークト”だ。』
◇ ◇ ◇
街には案外すんなり入ることができた。
服装も前の世界の服ではなく、異世界の住人(こいつ)が用意してくれたやつだからあまり浮いてない…気がする。
そのまま俺はこの街を歩いていく。
うん、流石異世界。
風景は中世ヨーロッパみたいな感じで、魔法は身近にあるみたい。
周りのみんなは大体魔法を使い、なんなら子供でも小さな魔法だったら使えるらしい。
んじゃ俺も使えるのかな?と考えるのが普通だが、まぁ異世界の住人(こいつ)に時間があったら聞くとしよう。
そのまま俺は街を歩いていると、ふと疑問に思った。
流石に一人で喋りながらだと不審がられるよな…
『あぁ、多分不審がられるな。』
『うぐっ…だろうな…。
ってか急に俺が思ってることにツッコミを入れるなよ…びっくりするじゃん…。』
『それで?質問とやらはなんだ?』
『なにも話聞いてないんかい。』
『まぁそんな改まって聞くことじゃないんだけど、俺はこれからどこへ行けばいいんだ?
今は街の中をぶらぶらと歩いているだけだが』
『ウェブ?小説とやらでこの世界のことは知っているんじゃないのか?』
『Web小説ならこのまま冒険者ギルドに行って、ギルド登録とかするんじゃないのか?』
『うむ、そうだ。合っている。
そのままお前の読んだことあるウェブ小説とやらと同じようにするんだ。』
一瞬、Web小説の世界と同じなのか?と思ったが、それは無いと断言できた。
あの世界はあまり魔法が普及してなく、詠唱が必要だったからだ。
主人公も詠唱をしていて、詠唱が嫌だからという理由で剣を振ってたんだっけ?もう覚えてないや。
この世界は見る限り詠唱がいらないように見える。わからないが。
『まぁいいや、じゃあギルドの場所を教えてくれ。』
『わかった。ギルドの場所は…』
俺はそのまま彼女が言った通りに道を進み、あっという間にギルドに到着できた。
その間に、飯のいい匂いだったりかっこいい防具が展示されてたりと色々あったが、異世界の住人(こいつ)に止められてやめることにした。
まずまずお金も持ってないしな。
冒険者ギルドに入ると目の前に受付嬢と言われる人が見えた。
俺はそのままその人の前に行き、「ギルドに登録したいのですが」と申し出た。
「ギルドの新規登録ですね。少々お待ちください。」
受付嬢は一度受付の中に入り、書類を俺に提示してきた。
「それでは、ここにお名前と生年月日、性別、その他諸々、この書類に書いて提出してください。」
ふむ、名前、か。
俺は時間がかかると予想し、受付嬢に申し出た。
「すみません、少しだけ時間がかかるので、あの席で書いていいですか?」
「はい。全然大丈夫ですよ。ゆっくりで大丈夫です。」
「すみません、ありがとうございます。」
俺はそのまま指を刺した席に座った。
『なんで時間がかかるんだ?』
『まずは俺の性別についてだ。お前の体を俺が使ってるということだよな?』
『あぁそうだ。まぁ男に改造したがな』
『それはもう本当に男になってるってことか?』
いや待て…?
こいつの体なら……股間はどうなってるんだ…???
『なら自分で調べてこい。トイレならあっちだ。』
『はぁ????』
俺の考えを読んでいた、というかもう読んでいる異世界の住人(こいつ)は、俺の息子を自分で確認して来いと言ってきやがった。
まぁ別にいいけどさぁ、一応お前の体なんだぞ?少しだけ抵抗とかないんか?とか思ったが、まぁ男に改造してあるって言ってたし、良いのか…?
一応その書類は持っていき、トイレに籠った。
『ほら、男だっただろう?』
『そう、だったな。』
それはそれはもう前世の俺の息子よりご立派でしたよ。うん。
立派な立派な聖剣エクスカリバー。泣きたくなってきた…
前世の息子よ。本当にごめんな。
俺は書類を持ってさっきの席に戻った。
そして色々と質問をした。
『生年月日とかは前世と同じでいいのか?』
『あぁ。大体は同じにしてある。』
『あっ、あと名前なんだけどさ』
『なんだ?前世の名前を使えばいいではないか。』
『いや、それなんだけど』
俺は前世の名前を捨てることにした。
理由は、あんな前世みたいな生き方をしたくなかったから。
本当に「帰りたい」と思える、家が欲しかったから。
そんな理由だ。
そしてせっかくの異世界だ。すべてやり直して、俺が好きなように好きなことをして過ごしたいと思ったんだ。
と、そのまま異世界の住人(こいつ)に伝えた。
『なるほど。じゃああたしが名前を付けてやろう。』
『おっまじか、気が利ける』
『うーむ、じゃあ
”リセル”とかどうだろうか。”リセル・インサニア”。』
『おぉ、かっこいいなそれ』
『ちなみにインサニアはあたしの名前だ。クロエ・インサニア。』
『いやお前の名前かい。』
リセル、か。
英語の勉強はあまりやってなかったから意味は分からないが、多分良い意味だろう。不思議にそう思えた。
あと異世界の住人(こいつ)はクロエというのか。なんとなく良い名前。うん。
『もっと褒めるがよい』
『うるさいぞ。
まぁ”リセル・インサニア”と名乗るよこれからは。』
俺はそうクロエに言い、書類に書いた。
リセル・インサニア。これが俺の名前だ。心に刻んでおこう。
なんでか、すごく気に入った。
そのまま書類を受付嬢に渡した。
「はい、受け取りました!
リセルさん、ですね。ようこそ、冒険者ギルドへ!」
「ギルドの説明はしますか?」
「あ、一応お願いします。」
Web小説と同じとクロエから聞いても、まだ違うところはありそうだから聞いておいた。
受付嬢さんは説明が上手い。多分誰でも理解できるだろう。
冒険者ギルドはランクに分かれていて、下から順にE、D、C、B、A、S、SSと続いており、一番高いのがSS、SSS、と続いてZランクだそう。
Aくらいになるとどれでも依頼を受けられるそうだ。
そしてZランクという項目を設けているが、実際にはZランクに上った人はたった一人くらいしかいないらしい。
俺的に、懐に余裕をもって飯が食えて宿でゆったりできて、時には"ソードマン"として冒険者できればそれでよかったため、そこらへんはあまり聞かないでおいた。
「そんなところですね。まだなにか質問があれば私に申し付け下さい。」
「説明してくださってありがとうございました。」
「はい!…あっ、できたようですね。」
受付嬢は俺に一枚のプレートのような物を渡してきた。
「これは?」
「これは冒険者プレートです。ランクが上がるごとにプレートの素材が変わっていったり、プレートを見せると宿代が安くなったり、ご飯もよりお得に食べられることができます。あとは、身分証明書としても使えますね。」
「そうですか。
丁寧に説明してくださり、ありがとうございました!」
俺は受付を後にした。
3:
第1話 転生?
[2025-12-11 20:17:03]
[×]
「どこだここ」
どうやら俺は死んだらしい。
過度なストレス?罵詈雑言や暴力の嵐で?重度の食べ過ぎ?
まぁ「どれがどれで死ぬから」とかは良くわからないが、すべてが運悪く当たったのだろう。
前の世界にはもう未練はない。逆に恨むという気力もなかった。
普通の人だったら、恨んだりして復讐だったりするのだろうか。まぁそんなことはどうでもいい。
ここは前の世界とは断じて違う。その理由として…
俺の目の前に広がっていたのは、すごくきれいな草原だったからだ。
そして俺が踏んでいる土の道。
本当によくわからないが、俺は「転生」というものをしたのだろう。
俺はその土の道をたどり、周りの草原を見つめながら進んでいくと、同時に水たまりを見つけた。
その水たまりに近づき、俺はその水たまりを見た。
「…なんじゃこりゃ」
水たまりを鏡にして俺の顔を覗くと、それは前居た世界の顔とはぜんぜん違う、多分「イケメン」とやらに顔がすり替わっていた。
髪は黒色。そこまで目立った様子はないが、前の世界とはぜんぜん違うサラサラな髪質だ。
そして顔。めちゃくちゃあったニキビはすべて消滅し、ぽっちゃりと膨れていた頬はシュッと締まっている。
そのまま体に目を向けると、前まで突起していたお腹はしっかり収まっていた。
これは「転生」と言えるのか?
個人的に「転生」とは、異世界で生まれた子供に、前世の世界の人の記憶が宿ることと認識している。
でも異世界の住人(こいつ)は、明らかに子供ではないし、「転移」と考えるなら前の世界とは全然違う体型、違う顔…絶対に何かが違う。
異世界の住人(こいつ)に、俺の意識が宿ったということだろうか…?
いや、よそう。
最終的に俺の意識が宿っているんだ。俺の体には変わりない。
他の人の体だとしても、その人の意識はもう無い。うん。
『何言ってんだ。あたしの意識はちゃんと残ってるぞ。』
うん………。
「ってうおっ!???」
俺がそう考えた瞬間、柔らかい、でも言葉遣いが少しだけ耳にツンと残る声が聞こえた。
いや…感じた?
「え…?どこから喋ってるんだ???」
耳から聞こえたというのは幻聴なのか、その声の持ち主は俺が周りを見渡す限りはどこにもいない。
俺は必死に顔をぶんぶんと振り、その持ち主を探し始める。
『この声は脳に直接語りかけている。
逆に考えてみろ。その体の持ち主はあたしなんだぞ?』
「……じゃああなたの体の中に勝手に入ったのが俺と言うこと…?」
『うーむ、まぁ半分が正解だ。
”勝手に”、というより、あたしが”呼び出した”。』
「呼び出した…?」
彼女(?)はそのまま説明してくれた。
人類で”初めて”異世界人を召喚させた結果、失敗し、間違えて自分の体を犠牲にしたらしいのだ。
その召喚できるのは体と意識のどっちもではなく、意識だけだったらしい。
犠牲、というより、その異世界人の体が必要だったのだ。
『…と、言うことだ。』
彼女が説明しているのを聞きながら俺は土の道をゆっくり歩いていく。
「そっちのほうが時間短縮になるだろう」と、彼女が提案したものだ。
「じゃあこの体は?俺は少なくともこんなイケメンじゃなかったぞ?」
『それはあたしの体を少しだけ改造し、男っぽくしたものだ。
元々「転生させるのは男」という設定をしていて、色々と用意してあげたのだ。』
じゃあなんで意識だけが転生するってことが理解できなかったんでしょうね…と思いながらも俺は背中に装備されていた剣を抜く。
「じゃあこれも?」
『そうだ。剣より魔法杖派だったか?』
「……いや、剣の方が好きだ。」
『それはよかった。』
鋭く光っている剣をじっくり見て、そして背中の鞘に入れた。
俺は「異世界転生」という物語に興味が全くなかったというわけではない。
学校で支給されていたパソコンでWeb小説を読んでいたまでだ。まぁ家ではまずまずWi-Fiのパスワードすら知らなくて、学校でしか読まなかったが。
小説を読むくらいしかできなくて、アニメ化したと聞いてもそのアニメが見れなかったことが多かったから、最初は少しだけ戸惑って、長かったら諦めたりとかしていた。
が、慣れていくと次第に楽しく読めていき、俺はどっぷり浸かってしまったのだ。
その中でも最高に好きだったのが、ソードマンが主人公の物語だった。
片手剣を駆使し、いろんな敵を倒していく。そんな姿に憧れていた。
俺は案外想像力が豊かなのか、いろんなことを想像して読むことができた。
主人公がどんな行動をして、どんな思いを持っていて…とこのように楽しく考えることができたのだった。
『…なるほど、そういった過去があったのか』
「……え?何言ってんだ?」
体がなく、声しか聞こえない俺でも、呆れた表情をしていたのは手に取るように分かった。
そしてそのまま彼女は説明を続けた。
『あたしは”口”では喋っていない。だからお前も口で喋らなくてもあたしと会話ができるのだ。』
「…は?ってことは……」
俺は確定な証拠がないまま、頭の中で言葉を唱えてみた。
彼女にそう言われるってことは大体察しがついたからな。いやでもこれで本当に合ってたら怖い。
死ぬまで俺は異世界の住人(こいつ)に脳ミソを監視されながら生きるってことだろ?絶対嫌だ。
いやー、でも異世界の住人(こいつ)がこう言うのなら、絶対そうだよな…
『あぁ。そうだ。お前が何か考えるたびにあたしに筒抜けだ。』
「…でしょうね」
俺は大きな溜息を吐いて俯いた。
そんな様子を見た彼女は『はははっ、まぁそんなに落ち込むでない』と俺を励ましてくれた。
『あたしは今、お前の世界のテレビ?とやらと同じ状態になっている。だからあたしがお前の体を動かすことはできないし、お前が望むのならあたしはなにも言わないことができる。』
でも最終的に俺の行動を隅々まで見てるってことでしょ?俺が考えていることも。
『あぁそうだ。』
はぁぁぁぁ…
全然励ましになってねぇよ!と怒鳴りそうになったがここではグッとこらえ、俺は土の道を歩いていく。
話しているうちにずいぶん経ったからか、目の前に大きい街が見えてくる。
『おっと、最初の街があそこだな。』
「なんて言う町だ?」
『ふむ、果たしてなんて言う名前だったか…』
「お前この世界の住人ならそれくらい覚えておけよ……」
『うるさいやつだなぁ、街のことなんて一個一個覚えてるわけないだろ?旅なんてしたことないんだし。』
『あっ、思い出した。あの街は…
”アークト”だ。』
◇ ◇ ◇
街には案外すんなり入ることができた。
服装も前の世界の服ではなく、異世界の住人(こいつ)が用意してくれたやつだからあまり浮いてない…気がする。
そのまま俺はこの街を歩いていく。
うん、流石異世界。
風景は中世ヨーロッパみたいな感じで、魔法は身近にあるみたい。
周りのみんなは大体魔法を使い、なんなら子供でも小さな魔法だったら使えるらしい。
んじゃ俺も使えるのかな?と考えるのが普通だが、まぁ異世界の住人(こいつ)に時間があったら聞くとしよう。
そのまま俺は街を歩いていると、ふと疑問に思った。
流石に一人で喋りながらだと不審がられるよな…
『あぁ、多分不審がられるな。』
『うぐっ…だろうな…。
ってか急に俺が思ってることにツッコミを入れるなよ…びっくりするじゃん…。』
『それで?質問とやらはなんだ?』
『なにも話聞いてないんかい。』
『まぁそんな改まって聞くことじゃないんだけど、俺はこれからどこへ行けばいいんだ?
今は街の中をぶらぶらと歩いているだけだが』
『ウェブ?小説とやらでこの世界のことは知っているんじゃないのか?』
『Web小説ならこのまま冒険者ギルドに行って、ギルド登録とかするんじゃないのか?』
『うむ、そうだ。合っている。
そのままお前の読んだことあるウェブ小説とやらと同じようにするんだ。』
一瞬、Web小説の世界と同じなのか?と思ったが、それは無いと断言できた。
あの世界はあまり魔法が普及してなく、詠唱が必要だったからだ。
主人公も詠唱をしていて、詠唱が嫌だからという理由で剣を振ってたんだっけ?もう覚えてないや。
この世界は見る限り詠唱がいらないように見える。わからないが。
『まぁいいや、じゃあギルドの場所を教えてくれ。』
『わかった。ギルドの場所は…』
俺はそのまま彼女が言った通りに道を進み、あっという間にギルドに到着できた。
その間に、飯のいい匂いだったりかっこいい防具が展示されてたりと色々あったが、異世界の住人(こいつ)に止められてやめることにした。
まずまずお金も持ってないしな。
冒険者ギルドに入ると目の前に受付嬢と言われる人が見えた。
俺はそのままその人の前に行き、「ギルドに登録したいのですが」と申し出た。
「ギルドの新規登録ですね。少々お待ちください。」
受付嬢は一度受付の中に入り、書類を俺に提示してきた。
「それでは、ここにお名前と生年月日、性別、その他諸々、この書類に書いて提出してください。」
ふむ、名前、か。
俺は時間がかかると予想し、受付嬢に申し出た。
「すみません、少しだけ時間がかかるので、あの席で書いていいですか?」
「はい。全然大丈夫ですよ。ゆっくりで大丈夫です。」
「すみません、ありがとうございます。」
俺はそのまま指を刺した席に座った。
『なんで時間がかかるんだ?』
『まずは俺の性別についてだ。お前の体を俺が使ってるということだよな?』
『あぁそうだ。まぁ男に改造したがな』
『それはもう本当に男になってるってことか?』
いや待て…?
こいつの体なら……股間はどうなってるんだ…???
『なら自分で調べてこい。トイレならあっちだ。』
『はぁ????』
俺の考えを読んでいた、というかもう読んでいる異世界の住人(こいつ)は、俺の息子を自分で確認して来いと言ってきやがった。
まぁ別にいいけどさぁ、一応お前の体なんだぞ?少しだけ抵抗とかないんか?とか思ったが、まぁ男に改造してあるって言ってたし、良いのか…?
一応その書類は持っていき、トイレに籠った。
『ほら、男だっただろう?』
『そう、だったな。』
それはそれはもう前世の俺の息子よりご立派でしたよ。うん。
立派な立派な聖剣エクスカリバー。泣きたくなってきた…
前世の息子よ。本当にごめんな。
俺は書類を持ってさっきの席に戻った。
そして色々と質問をした。
『生年月日とかは前世と同じでいいのか?』
『あぁ。大体は同じにしてある。』
『あっ、あと名前なんだけどさ』
『なんだ?前世の名前を使えばいいではないか。』
『いや、それなんだけど』
俺は前世の名前を捨てることにした。
理由は、あんな前世みたいな生き方をしたくなかったから。
本当に「帰りたい」と思える、家が欲しかったから。
そんな理由だ。
そしてせっかくの異世界だ。すべてやり直して、俺が好きなように好きなことをして過ごしたいと思ったんだ。
と、そのまま異世界の住人(こいつ)に伝えた。
『なるほど。じゃああたしが名前を付けてやろう。』
『おっまじか、気が利ける』
『うーむ、じゃあ
”リセル”とかどうだろうか。”リセル・インサニア”。』
『おぉ、かっこいいなそれ』
『ちなみにインサニアはあたしの名前だ。クロエ・インサニア。』
『いやお前の名前かい。』
リセル、か。
英語の勉強はあまりやってなかったから意味は分からないが、多分良い意味だろう。不思議にそう思えた。
あと異世界の住人(こいつ)はクロエというのか。なんとなく良い名前。うん。
『もっと褒めるがよい』
『うるさいぞ。
まぁ”リセル・インサニア”と名乗るよこれからは。』
俺はそうクロエに言い、書類に書いた。
リセル・インサニア。これが俺の名前だ。心に刻んでおこう。
なんでか、すごく気に入った。
そのまま書類を受付嬢に渡した。
「はい、受け取りました!
リセルさん、ですね。ようこそ、冒険者ギルドへ!」
「ギルドの説明はしますか?」
「あ、一応お願いします。」
Web小説と同じとクロエから聞いても、まだ違うところはありそうだから聞いておいた。
受付嬢さんは説明が上手い。多分誰でも理解できるだろう。
冒険者ギルドはランクに分かれていて、下から順にE、D、C、B、A、S、SSと続いており、一番高いのがSS、SSS、と続いてZランクだそう。
Aくらいになるとどれでも依頼を受けられるそうだ。
そしてZランクという項目を設けているが、実際にはZランクに上った人はたった一人くらいしかいないらしい。
俺的に、懐に余裕をもって飯が食えて宿でゆったりできて、時には"ソードマン"として冒険者できればそれでよかったため、そこらへんはあまり聞かないでおいた。
「そんなところですね。まだなにか質問があれば私に申し付け下さい。」
「説明してくださってありがとうございました。」
「はい!…あっ、できたようですね。」
受付嬢は俺に一枚のプレートのような物を渡してきた。
「これは?」
「これは冒険者プレートです。ランクが上がるごとにプレートの素材が変わっていったり、プレートを見せると宿代が安くなったり、ご飯もよりお得に食べられることができます。あとは、身分証明書としても使えますね。」
「そうですか。
丁寧に説明してくださり、ありがとうございました!」
俺は受付を後にした。
投稿されてる?これ
4:
匿名さん
ID:7a663a42f
[2025-12-11 20:17:32]
[×]
されてたわ
ごめん
5:
二次創作にハマったイッチ
ID:7ca3c5ce7
[2025-12-11 20:20:47]
[×]
こんばんは
長かったから全部は読んでないごめん いい小説だね。小説好きの友達にこのスレ紹介していい?
6:
匿名さん
ID:7a663a42f
[2025-12-11 20:33:33]
[×]
おうよ
なんなら紹介してほしい
ほかの小説書いてる人とかにも感想聞きたいから
7:
匿名さん
ID:9143eb000
[2025-12-12 12:26:42]
[×]
前投稿したスレ見てた民です。ども。
AI使ってなくて自力で書いてるんならかなり文章力あるよ。
ちゃんと読める小説の形になってる。
めげずにカクヨムとかなろうに投稿続けたほうが良いですよ。
そっちで磨いていけ。
まずは完結させろ。短編でもいい。
小説の終わらせ方を学ばないと何本も書けない。
いくつか短編書いていくのがオススメ。
…とまあ読み専からのアドバイスは以上です。
頑張ってください!
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