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小説書きました/19



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■: アンポンタン・ポカン  ID:e13c71a6b
[2025-03-23 16:00:25] [×]
処女作です


1: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 16:02:06] [×]
 あの日、私は公園である人形を見つけた。
 その公園は実家の近所にあり、私が子供の頃によく遊んだ場所だった。特に何か珍しい遊具があるというわけではなかったが、見通しが効くので、子供を連れて遊ぶにはちょうどよかったのだ。
 私は郷愁の念に駆られ、あちこち眺め、やがて歩き疲れてベンチを探していた。その時、視界の端に赤い影がちらついた。振り向くと、それは一体の人形だった。
 それは高さが20cmほどの、小さな女の子を模したものだった。比較的高価なものであると見え、非常に精巧な作りをしていた。端正で白い顔立ちには青く透き通った目がはめ込まれ、小さくて赤い唇が特徴的だった。髪はなめらかで、沈みゆく太陽の光を浴びて金色に輝いていた。赤を基調としたフリルのついたドレスを着ており、これまた赤い靴を履いた長い足を包み込むように内側にカールしていた。
 それはベンチの縁に座るようにして置かれていた。おそらく持ち主が無くしたか、誰かがここに捨てたのだろう。
 私はそれを見たときに、初めは嫌悪、そして次に名状しがたいおぞましさを感じ取った。
 何故かはわからなかった。しかし、私にはそれが見てはならないもの、ここにあってはならないものだと感じた。
 うっすらとあいた真っ赤な唇の間に、尖って擦り切れた肉食性の歯が見えた気がした。そしてその奥から、喰われたことに対する永劫の苦しみ、まだ生きている命への嫉妬、それらが具現化した、私のような平凡な人間には夢の中で垣間見ることもできないような、たとえ見てしまっても、その瞬間に狂い、呑まれてしまうような、脳が知覚を拒む何物かがこちらを覗いている気がした。
 それは虚無であった。禁忌であった。正常な人間にはたとえいかなる手段を用いたとしても見えぬはずの何かであった。
 それと目が会った時、私は人形の頭を鷲掴みにし、青い目を砕き、腕をあり得ない方向にねじり上げ、歯を折り、喉の奥にまで手を突っ込んでかき回した。手に髪のような湿ったものが絡みついてくるのを感じながら、それでも止められなかった。
 純然たる恐怖。ただそれだけが私を突き動かしていた。
 やがて人形は見るも無残な姿へと変わり、私は我に返り、そしてようやく自分がたった今したことの重大さに気が付いた。
 膝が笑い、立っていられなくなった。自分がなぜあんな行動をとったのか理解ができず、たった今自分が破壊した人形の慣れの果てを視界に入れることさえできず、俯いて震えていた。
 私は激しく後悔した。何に対してか懺悔さえした。
 ふと右手を見ると、太陽に押さえつけられていた、今から空を支配しようとしている夜よりもさらに暗く、黒ずんでいるように見えた。
 私の右手は闇に溶かされていた。
 痛みはなかった。喪失感もなかった。私は自分の目を疑う事すらできず、ただ闇が自分の右腕を這いあがり、肩にまで到達しかけているのを見るともなく眺めていた。
 その時、左腕が私の意志から離れ、勝手に右腕の付け根を掴み、肩から引きはがそうとしていた。しかし、右腕はそんなことに頓着せず、肩からゆっくりと首元まで登ってきていた。
 この体の主導権は2つに分かれ、もはや私には指一本動かすこともできなかった。この時左手を動かしていたのは肉体の細胞自身だった。遺伝子に刻まれてきた生存本能に仇なす何者かを排除するために、神経からの情報に頼ることを止め、独立して動き出していた。
 だがやがて闇は私の脳にまでたどり着き、原初の生命から連綿と受け継がれてきた脳の一番幼い中心に鎮座した。恐怖の感情が掻き消え、私の体が私でなくなるような違和感だけが残った。左腕は降伏し、二度と動かなくなった。私の目はもはや何も映さず、耳はこの地で腐り果てた数多の生物の死に際の怨嗟の声を拾い、鼻は死臭と肉の焦げる匂いだけを求めるようになった。

 私の記憶はここから曖昧になっているが、次は私自身が人形になるのだと悟ったことだけはよく覚えている。それは正しかったかもしれない。間違っていたかもしれない。正しかったのだとしたら、私の体は溶け、縮み、不要な部分は取り除かれ、新たに端正な顔立ちの人形となって、今まさにあの世界のどこかにいる誰かの前に座っているのかもしれない。
 いずれにせよ、今の私にそれを確認するすべはない。
 私は今、大きな胃のようなものの中で、他の大勢と一緒に苦悶の叫び声をあげ続けている。私の体は小さく消化され、もうほとんど残っていないが、それに反比例して痛みは増していく。
 胃、なのだと思う。
 今浸かっているこのどろどろとしたものから強烈な酸の匂いがするのだから、おそらくはそうなのだろう。何も見えないが、それでもここがとてつもなく大きな、閉じられた空間だという事は音の反響から推測できる。しかし、私の知る限りそんなに大きな生物はどこにも存在しない。
 否、この宇宙がまだ小さな光の球に過ぎなかった太古、おそらくこの世界の物理法則が全く通用せず、この世界よりもいくつか次元が高いところからきた何かがいたのかもしれない。獲物の恐怖の感情を具現化し、引き寄せては飲みこんでいった生物とも言えない何かが。
 私は後悔している。
 あの時公園で見つけた人形に気づかなければ、闇に触れなければ、こんな人間の痛みの許容量を遥かに超える無限の責め苦を受け続けるようなことにはならなかったはずなのに。
 だがそれは不可能なことだったのだろう。おそらく、あの日の朝の時点でこうなることは半ば確定していたのだ。私は獲物に選ばれたのだ。

 私はいつまでこうしていればいいのだろう。私が飲まれてから無限に等しい時間がたったように思えるが、本当はほんの一瞬の出来事にすぎないのかもしれない。
 私が溶け切った時にこの意識も一緒に消滅すればいいのだが。そうすればこの地獄から解放されるかもしれない。
 それとも溶けた後も痛みだけがずっと続くのだろうか。そうかもしれない。けれど、それでもいつかは狂って意識も途切れるだろう。
 そう信じている。

2: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 16:11:45] [×]
ちょっとめんどくなって描写とか色々省いたけどゆるしてチョ。
ストーリーも貧弱だけどゆるしてチョ。

3: 常連さん 
[2025-03-23 16:18:01] [×]
Aアイか

4: 常連さん   ID:061e9f857
[2025-03-23 16:30:11] [×]
またいつか書いてください。

5: 中学生さん 
[2025-03-23 16:35:26] [×]
読みにくい

6: みどぼんぐり赤 
[2025-03-23 16:36:08] [×]
>4 自演やんな

7: 常連さん 
[2025-03-23 16:50:52] [×]
ちょっと読みにくいかナ…w

8: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 16:58:21] [×]
確かに読みにくいね
感想ありがとう

9: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 18:22:18] [×]
>>6
自演じゃないことを証明する方法ってないから難しいよね

10: 匿名さん 
[2025-03-23 19:49:10] [×]
おもしろかった!

11: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 20:19:23] [×]
>>10ありがとうございます。嬉しいです。

12: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 20:23:03] [×]
>>4
チャットちゃっとで小説を投稿したいが為に作ったので、多分もう書きません。

13: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-23 20:57:27] [×]
>>3
あっ、もしかしてAIのこと?
誰かのHNかと勘違いしてました。

14: あ 
[2025-03-23 21:45:06] [×]
肉食性の歯、とか膝が笑うとかの表現はリアルでいいと思いました。

15: K377 
[2025-03-23 22:06:38] [×]
読んでみましたが、この人の小説もっと読んでみたいです
期待しています。

16: 匿名みどぼんぐり 
[2025-03-24 02:57:41] [×]
K377とアンポンタンは同じ人よ

17: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-24 08:32:00] [×]
>>14
ありがとうございます。

18: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-24 08:39:19] [×]
>>15
ありがとうございます。
また何か書くことがあってもこことは別のサイトに投稿すると思います。

19: アンポンタン・ポカン   ID:e13c71a6b
[2025-03-27 20:32:59] [×]
ちなみにちょっとだけクトゥルゥ神話をイメージしてます。


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