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7:
おひひ
[2023-07-28 23:04:04]
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タイトル1☆-ものを消す力
ここは穏やかな風が優しくなびく、平和な村。
ヤソナはそんな村の中央広場で、草木と戯れるように転がっていた。
「皆町にいっちゃったなぁ、そこまでここは不便じゃないと思うんだけど、どうなんだろうね。」
風の音にかき消されながらも、花に聞かせるように優しく呟く。
これがヤソナの日課だった。
そんなときだ。
「長きにわたり育てられた草木、汝らにとってはなんと目に焼き付くすような光景だろうか。」
ふてぶてしい太い声がヤソナのミミを引き立てる。
急いで振り返ろうとしても、体が硬直して言うことを聞かない。
「おっと、汝らは我らのことを本能的に恐れる集成があるようだ。全く。我はこんなに機嫌が良いというのに、その気分を損ねるようなことをしよってからに。」
少し悲しそうな声が、ヤソナにとって固まった体をほぐしている気がした。
「あ…」
やっと口が開いた。しかし、自分の思った通りの言葉がでず、喉がつっかえる。
「何か話したいのなら話せ。そうじゃないと、いくら悪魔である我でも全く分からぬ。」
悪魔…?
そんな言葉が数秒間頭の中を埋め尽くしたが、大きく息を吸い、悪魔の方へ体を向けた。
「ねぇ、悪魔さん。どうしてそんなに機嫌がいいの?」
悪魔は驚いたように蛍光色に輝いた目を開き、大きく笑い出した。
「汝、面白いやつよのぅ。我は気に入ったぞ。よかろう、汝を我の契約対象としてやる。」
「契…約?」
「そうだ。契約だ。我は汝に力を貸してやる。」
「力…?」
「あぁ。ものを消す力だ。」
どんどん強まっていく蛍光色の目から逃げることはできなかった。
どうしてこんな怖い悪魔に
話しかけてしまったのだろうか
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